メンテナンス

本格的な成熟化社会を迎え、投資余力の減少等により土木構造物は建設主体から維持管理・延命に移って行くことが想定されます。構造物の中でも明治以降に建設されてきた土木構造物は、膨大な数になり経年劣化の進んでいるものも多くあり、これらの構造物の維持管理(メンテナンス)が重要な課題となってきています。

構造物調査・検査

橋りょうの維持管理と安全性向上のために

日本においては土木構造物等の社会資本の老朽化が進行しつつあり、その原因による事故も増えてきています。鉄道においても古い構造物があり、経年が100年を超える多くの橋りょうが現役として供されています。橋りょうの構造形式や使用環境は多種多様で、それに伴い発生する変状や損傷程度もそれぞれ異なります。これらの橋りょうは法令に基づく各種検査が実施されることになっており、専門的な技術的知識と豊富な経験を有する技術者が検査をおこなうことで適切に維持管理されています。
私たちはお客様に安心して利用していただくため、鉄道橋りょうの検査で蓄積されたノウハウを活かし、道路橋等の検査も行い、構造物・設備の適切な維持管理業務を支援いたします。また、お客様のご要望に応じて検査記録等の各種データをデータベース化することも行います。

橋りょう維持管理業務の流れ

橋りょう維持管理業務の流れ

橋りょう上部工検査

橋りょう上部工の鋼桁検査において、変状や損傷を発見するだけでなく、これら変状が発生していなくても変状を予測することで、予防保全としての記録の記述、修繕時期や修繕方法の提案など、鋼橋の延命化につなげることが出来ます。また個々の橋りょうについて管理台帳(カルテ)を整備し、適切な維持管理を実施します。

橋りょう上部工検査

コンクリート桁においては、古くからコンクリート片の剥落事象は発生しており、最近は特に世の中の関心が高まっています。その反面、コンクリート桁や高架橋は地上から非常に高い位置になり、打音検査や近接目視検査を実施するのが困難な場所が多くなってきています。そこでこれらコンクリート構造物の中で、特に高架橋の剥離・剥落変状の予兆を赤外線カメラによる調査で察知し、未然に構造物の剥落変状を把握します。
赤外線カメラにより調査した結果は、橋りょうごとの変状履歴をデータバンク化することにより構造物の個別管理や修繕計画などに活用します。

橋りょう上部工検査

管理台帳(カルテ)の例

管理台帳(カルテ)の例
管理台帳(カルテ)の例

橋りょう下部工検査

橋りょう下部工である橋脚、橋台は上部工から伝わる荷重を支え地盤に伝える重要な部分です。
橋りょう下部工の状態が悪いと橋りょう上部工にも影響を与え、変状を引き起こす場合があり、普段の維持管理が重要です。また降雨による河川増水に伴い、橋りょう下部工は、洗掘災害や傾斜などの変状をきたす恐れがあります。この場合、対象となる橋りょうの状態を把握するために下部工の固有振動数を把握・解析することで詳細な健全性診断を行います。
地震発生後の健全性の診断にも活用する事ができ、個々の橋脚について管理台帳(カルテ)を整備し、適切な維持管理を実施します。

橋りょう下部工検査

橋りょう下部工

橋りょう下部工

橋りょう劣化調査

円借款供与により修復された鉄道施設についてインドネシア鉄道の維持管理体制の更なる構築と維持管理能力の向上を図るため、国際技術支援の一環として維持管理体制の現状調査、北幹線と南幹線の橋梁劣化調査を実施しました。

トンネル健全度調査

鉄道トンネルは、経年の経つものが多くあり、定期的な検査や詳細検査により健全度を把握し必要な措置を行うことにより延命化を図っていくことが求められます。写真は、トンネル煉瓦アーチ部の現有強度を把握するため高所作業車によりコア採取しているところです。

専用車両を用いた鉄道構造物の検査

鉄道の安全運行を支える鉄道構造物の検査を正確かつ効率的に実施するために各種専用車両を使った検査、解析業務を行っています。
トンネル検査には人の目に代って覆工表面の状態をレーザー光による映像で把握する「トンネル覆工表面撮影車」と表面からは見えない覆工内部の変状等を電磁波で把握する「トンネル覆工検査車」による検査を行っています。
また、線路の下の空洞等路盤の異常を検査する「線路下空洞探査車」による検査も行っています。

トンネル覆工表面撮影車

トンネル覆工表面の変状状況を正確かつ短時間に把握するためにトンネル覆工表面撮影車(Tulis: Tunnel Lining Scanning Car【愛称:トーリス】)を用いてトンネル表面を撮影しております。
写真は、単線トンネルの画像を撮影するためレーザをトンネル壁面に放射し反射波により画像を取得している状況です。

トンネル覆工検査車

トンネル覆工コンクリート内部状況を立体的に把握可能なマルチパス方式電磁波レーダを搭載したトンネル覆工検査車(Clic:Concrete Lining Inspection Car【愛称:クリック】)を用いて覆工内部計測を行っております。写真は、複線トンネルの覆工内部データを取得している状況です。

線路下空洞探査車

非破壊的に線路下路盤の状態を確認するために、電磁波レーダを搭載した軌陸車(UTRAS:Under Track Survey Car【愛称:アトラス】)よる線路下空洞探査を実施しております。写真は、レーダを下げ線路下データを取得している状況です。