PROJECT 03
新技術(特殊解析・BIM)

PROJECT 03 新技術(特殊解析・BIM)

〈 技術で安心を支える 〉

見えないものを、見る技術。

駅をつくるためには、線路や駅舎、周辺の構造物だけではなく、その駅が作られる地中がどのようになっているか、支障物や埋設物の有無等を調査する必要がある。また、構造物をつくるためには、緻密な設計図も必要となる。出来上がった駅をご利用されるお客様の目に触れるものではないが、そんな見えないものを探究する社員が、安全な日常を支えている。

技術本部 特殊解析室

青山 貴洋 AOYAMA Takahiro

調査計画本部 BIM推進室 ※取材当時

長田 葉月 OSADA Hazuki

SCENE 1より深く、高精度に探査する

2014年の入社から、照査室、技術第二部を経て現在特殊解析室に所属する青山の現在の仕事及びミッションは「地中のより深い範囲にある支障物を高い精度で探査する技術の確立」だと言う。工事の際、埋設物があると撤去等の対応が必要になるため、工期が大幅に遅れたり、コストが増加したりするリスクがある。それを防ぐために必要とされるのが地中レーダ探査の技術の開発だ。そのために、日々仮説を立て、実験を重ねて検証し、それが間違っていればもう一度挑戦するという地道な工程を繰り返している。「わからないことを調べ、仮説を立て実験を繰り返す試行錯誤の作業は自分に合っていると思います。今までにないレベルの技術を確立し、会社に、ひいては社会に貢献できたらと考えています」(青山)。

SCENE 2平面から3Dの「見える化」に挑む

現在BIM推進室で3次元モデル化に取り組む長田は、2016年入社。鋼構造設計部、社会インフラ部、計画部を経て現在の部署へと配属になった。「これまでの業務でも、2次元CADは使ってきましたが、BIM/CIMによる3次元のモデルを作るのは初めてのことだったので、基本的な操作から学ぶ必要がありました。初めは不安もあり、基本操作ができても複雑な図面をモデル化していくと鋼材が歪んだモデルになってしまうこともありました。しかし、周囲の先輩方も丁寧に教えてくれ、自分でも根気よく取り組むうちに、3次元モデルを作成できるようになりました」と長田は言う。BIM/CIMを積極的に導入し「見える化」し、関係者と情報を共有化することは、設計段階での不具合の早期発見につながるため、現場での作業がスムーズとなり、プロジェクト全体での生産性の向上が期待される。

SCENE 3若手もチャレンジしやすい環境

青山は、特殊解析室での仕事の目的と社会に与える影響について「道路や線路の陥没などを事前に防ぐことができ、安全を確保するとともに工事やメンテナンスの効率化が図れること」だと語る。長田のBIM推進室での3次元モデル作成についても「計画・設計段階で不具合を発見できれば、現場での対応が減少し、生産性と安全のために貢献できる業務」だという。部署も日々の仕事も異なるが「作業の効率化を図り、安全を支える」という目的は変わらない。さらに「やってみたいと手を挙げれば挑戦させてもらえる風土」(青山)、「若手のうちから誰でも聞いたことがあるようなプロジェクトに携わることができる」(長田)と会社の土壌について教えてくれた。挑戦しやすい環境は、若手の技術力を大きく向上させるに違いない。

SCENE 4技術力で安全を支える誇り

「鉄道を基盤とした特殊性のある技術を学ぶことができ、新たなチャレンジができる。そして自分の仕事が人々の生活に直結する」ことがJRCでの仕事の魅力だと二人は話す。
「現在BIM/CIMは見えているところを3次元化していますが、将来地中でもその技術を活かすことができたら面白そうですね」と青山。若い技術者の探究心は尽きないようだ。これから作られる線路や駅などの鉄道構造物の目に見えない部分において、より確かな「見える化」を追求する彼らの日々の努力と技術力が活かされていくのだろう。